2012年12月14日

「iOS版Google Mapsが出たからもうiOS6にしても大丈夫だよね!」問題

標準アプリからGoogleマップが外されたiPhone5&iOS6が、ヒドイ酷いと言われ続けたApple謹製マップと登場してから早数ヶ月、やっとiOS版のGoogle Mapsが登場した。

自分もiPhone4sを使っていて、当初は早い段階でiOS6へのアップデートも考えていたものの、あまりにも地図の評判が悪いので躊躇してしまい、未だにiOS5のままになっている。このニュースを聞いて「おお!やっとこのiPhoneもOSのアップデートができるのか!」と思ったのだが、よく考えてみると地図は地図アプリだけで使われているわけではなく、様々な各種アプリからも呼び出されて使われている。

iOS版Google Mapsをインストールしたとして、自分自身が地図を使う場合は意識してGoogle Mapsを起動させればいいだけだが、他のアプリが地図を呼び出す場合はそうはいかない。基本的にApple製マップが利用されるわけで、結局それではパチンコガンダム駅の餌食になってしまう。別アプリ経由で地図を使うことはあるので、「うーん、やっぱり今回もまだ様子見か……?」と思って諦めかけたのだが、どうやら他のアプリからでもGoogle Mapsが使えるSDKも同時公開されていたらしい。

ただ当然ながらこのSDK自体は単なる開発ツールにすぎないので、アプリ(の制作)側で対応してもらわない限りAppleの地図が使われ続けることになる。上記の記事によるとGoogleへの登録とキーの発行が必要とのことなので、実際にGoogme Mapsを使うアプリが出るのはまだ先になりそうだ。また、例え実際にGoogme Mapsを利用したアプリが出てきたとしても、自分が使っているアプリがGoogle Mapsに切り替わるかは(公表されない限り)わからない。

結局iOS6にして良いのか、悪いのか

(地図だけが問題なら)自分が地図を利用するスタイルによる。簡単には以下のようにまとめられると思う。

  1. 地図アプリ経由でしかマップを使わない
    → 地図を使うときに(Appleのマップではなく)Google Mapsを起動すればいいだけなので、恐らくアップデートしても問題ない。
  2. 他のアプリでマップを使う機会がある
    → そのアプリの重要度や使用頻度による。あまり重要でないならアップデートしてもいいだろうし、非常に重要なら最低でもそれがGoogle Mapsを呼び出すようになるまで待った方がいい。
  3. とにかくすべてがGoogle Mapでないと困る
    → 自分が使ってるアプリが全部Google Mapsに対応するまで待とう。(もちろんいくら待ってもダメかもしれない。)

ちなみに自分の場合は「2.」だと思うので、もう少し待ってみようかなと思っている。

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2012年12月11日

ネットの犯罪予告ではあっさり逮捕され、現実の脅迫犯が捕まらない理由

先日以下のようなツイートをしたら興味深い体験談がReplyで寄せられたので、記事にしてまとめたものを紹介。

POSTした内容は前者が当然なりすましウイルスによる冤罪事件のことで、後者は最近特にネットで話題になっているバスケマンガの脅迫犯のこと。単に脅迫状を送りつけるだけじゃなく硫化水素を利用したりと相当凶悪性が高く、コミケではジャンルそのものが規制される事態になっている。

今月12日に上智大(東京都千代田区)で発見された液体が、気化すれば致死量を大幅に上回る硫化水素を発生した可能性が高いことが30日、捜査関係者への取材で分かった。

黒子のバスケ作者脅迫 致死量の硫化水素発生の可能性 - MSN産経ニュース

これに関しては「現実世界(ネット外)の方が直接的に脅迫がおこなわれているのだからより悪質性が高く、影響が多方面にわたるのだから捕まえる優先順位が高いだろう。それに(特に今回の件では)物証も多数あるわけだし、捜査もより楽なのでは」という意味合いがあって投稿した。ところがどうやらそうではないらしい、という話を聞くことができた。

こちら側で簡単にまとめさせてもらうと、以下のような感じだろうか。

  • (少なくとも秋葉原の事件の前は)ただの脅迫状程度では警察はまともに動いてくれない。
  • 本格的に動くとしたら、何度も繰り返していて悪質性が高く、かつ公共施設が明確に狙われているような場合。
  • 地域がばらけると担当の警察(所)が変わるため、情報が共有されない縦割りのせいで重い腰がさらに重くなる。(前述のように単発的な脅迫状程度では動いてくれないので。)

「脅迫状の送りつけ」というのは、どうも話を聞く限り捜査の優先順位がお世辞にも高くない様子。まあ実際のところ1億2千万人も人口がいれば、毎日全国で山のように脅迫まがいの事件なんか起こっているだろうし、警察は脅迫状なんか見慣れすぎていて中々真剣に取り合わないのかもしれない。これは裏を返せばインターネットの利用頻度が高い人が、ネットの犯罪予告を(面白がって通報はするけど)、オオカミ少年のごとくほとんど真に受けないのと同じような図式と言えそうだ。

(注:今回のバスケマンガ脅迫の件に関しては、報道されているようにすでに捜査一課が動いているらしいので、放置案件ではない。)

ではどうして「ネットの犯罪予告の方はあっさり逮捕されたのか(事件として扱ってもらえるのか)」となるが、それはまず秋葉原のあの事件があったことが挙げられる。しかしそれとは別に、下の記事がヒントになりそうだ。

「IPアドレスが判明すれば、捜査は半分終わったようなものだと思っていた。想定外の事態ですよ」。ウイルス感染したパソコンが遠隔操作され、インターネットで相次いで犯行予告や脅迫が行われていたことが明らかになると、ある警察幹部はこう漏らした。

なりすまし事件、想定外が油断に 警察、被害者に自白強要か (1/2) - ITmedia ニュース

本気かどうかもわからず、人員が足を使って捜査し、地道にいくつもの物証を検証して、場合によっては他の地域の警察と連携しなくてはいけない「現実の脅迫事件」と、“IPアドレスが判明すれば、捜査は半分終わる”という「ネットの脅迫事件」、どっちを手がけた方が効率的か常識的に考えろ!……ということなのかもしれない。

普通に考えれば、「実際の脅迫状やテロ予告をそこら中に送りつける」の方が「ネットで吹き上がった犯罪予告をする」より犯人のリスクも(社会的な)優先順位もずっと高いように思える。しかし実際は「そうと言い切れない」レベルどころか、むしろ完全に逆じゃないのかという体験談を聞くことができた。個人的には「釈然とするかは別として(理屈は)納得はできる」という何とも言えない感覚を抱いてしまった。

おまけ

「服を買いに行く服がない」ならぬ「警察に被害届を出すための警察がない」状態。

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2012年12月08日

セインツロウ ザ・サードの廉価版に関するゴタゴタの件

先日、PS3/XBOX 360用ソフト「セインツロウ ザ・サード:フルパッケージ」が発売された。これはセインツロウ ザ・サードとそのDLCのほぼすべてが入った廉価版で、定価で4200円弱、値引き後なら3000円台と、去年のゲームではあるが「全部入り」としてはかなりお得なパッケージになっている。特に新規にセインツロウ ザ・サードを始めたい人なら、文句なくお勧めできる商品だろう。

セインツロウ ザ・サード:フルパッケージセインツロウ ザ・サード:フルパッケージ (PS3版)
セインツロウ ザ・サード:フルパッケージセインツロウ ザ・サード:フルパッケージ (XBOX360版)

ただこの「セインツロウ ザ・サード」、廉価版の発売に関して少々揉め事が起こっていた。実は今年の9月にはDLCを含まない「ゲームのみ」の廉価版が発売されていて、その発売から1カ月も経たないうちにこの「全部入り」廉価版が発表されてしまったのだ。

値段はほぼ変わらないのにDLCてんこ盛りの「完全版」をすぐ発表されたとあっては、廉価版を素直に買ったユーザは当然激怒。Amazonのレビューなんかはえらいことになってしまった。

スクエニはもうゲーム業界から消えて欲しいくらいです。
初めてですよこんなことを思ったのは

Amazon.co.jp: セインツロウ ザ・サード(廉価版)【CEROレーティング「Z」】の にっくさんのレビュー

この件では(DLCなしの)廉価版の発売元になったスクウェア・エニックスが叩かれまくっているのだが、実際のところ彼らが悪いのかはよくわからない。なぜならフルパッケージの方の発売元は「スパイク・チュンソフト」に変わっていて、一般的に言う「完全版商法」とは趣が異なるからだ。

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もちろん客としてはメーカー叩きに走ってしまうのもわかるのだが、これには○○が悪い!と簡単に断罪できない微妙な理由がある。

みんな金がないのが悪いんや……

このような混乱の原因を理解するためには、まずセインツロウの大本の発売元が「THQ」であることを押さえておく必要がある。これはアメリカはもちろんのこと、日本でも初代「1」から通常版「3」まではTHQの日本法人「THQジャパン」がソフトを発売していた。(THQが日本でゲームを発売するときには外部のパブリッシャを使うのは珍しくなかったが、看板タイトルであるセインツロウは一貫してTHQジャパンが販売していた。)もし廉価版が引き続きTHQジャパンから発売されていれば、恐らくこんな事態になっていなかったのではなかろうか。

entry_028_02.png

ではなぜ廉価版になって急にスクウェア・エニックスから発売される運びになったかといえば、THQジャパン(のオフィス)そのものが、THQアメリカ本社の業績不振の煽りを受けて閉鎖されてしまったから。これによってTHQジャパンは他社にライセンスを提供するだけになり、実際にソフトを発売するのは別の会社になってしまった。(ちなみにソフトはヒットしていたのになぜ経営が苦しくなったのかはここに詳しい。)

で、その「セインツロウ ザ・サード」の日本での販売権を引き受けたのがスクウェア・エニックスで、それをそのまま定価を引き下げ再発売したのが廉価版(XBOX 360版はプラチナコレクション)の正体だろうと思われる。

その後のセインツロウ ザ・サードのライセンスの動きはよくわからないのだが、「フルパッケージ」の方はスパイク・チュンソフトからの発売となった。可能性としては前出の怒った人のAmazonレビューに書かれているように、スクウェア・エニックスが廉価版を発売してすぐ販売権を手放してしまったのかもしれないし、あるいは最初から無印版とフルパッケージ版はライセンスが別だったのかもしれない。

ただいずれにしても、そもそも発売された会社が違うところから考えて一貫した販売計画があったとはとても思えない。逆にスクエニは(発売後すぐ完全版が発表されたのだから)単なる被害者だ、と見ることもできるだろう。(もちろんだからといってスパイク・チュンソフトが加害者、という話でもないのだが。)

権利のゴタゴタにゲームが巻き込まれるのを見るのは悲しい

セインツロウ ザ・サード自体はかなり良くできたゲームだと思う。メインシナリオが若干ボリューム不足という点を除けば、大真面目に作られたバカバカしい世界観、美しいグラフィック、ギャグとメタとパロディとケレン味が合わさった何とも言えないシナリオ展開などなど見所は多い。オープンワールド・クライムゲームとして近年のシリアス志向なGTAと違う道を選びながら、さすが二番手に一番近いと言われるだけのことはある作品だろう。

ただそういった良作ゲームが、ゲーム自体の出来ではなくライセンスや販売方法のゴタゴタで無駄に評判を落としてしまうのは何とも悲しい。そもそも日本でのセールスは広告費をロクにかけなかったわりに好調だったらしく、そんな状態で撤退を余儀なくされたTHQジャパンが一番無念だったのは間違いない。実は自分も「無印廉価版」を買ったクチなのだが、この「別会社からの早すぎる完全廉価版の発売発表」を聞いて思ったのは、損した云々の前に「うわー、ライセンス関係ゴタゴタしてるんだなー」とといったことだった。

もちろん大本のTHQ自体は(業績は相変わらず厳しいらしいが)潰れていないし、セインツロウの続編もすでに開発が進められているらしい。そういう意味では悪いニュースばかりではないのだから、できれば経営が安定して日本に再上陸していただきたいところ。例えそこまでいかなくても、最低限安定したライセンス契約を結んでもらって、今回のような商品を買った客が怒り出すような事態は避けて欲しい……というのが一セインツロウシリーズファンとしての願いではある。

 

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