2009年08月25日

マジこんぼ 第x1A話 「究極 vs 至高! マジコン史上最大の戦い!」

病室にて

栗田「京極さん!元気そうでなりによりです」

京極「いやあ、我ながら大失敗や。階段を転げ落ちて怪我して入院とは。やっぱり年には勝てませんかな」

山岡「まあ良かったじゃないですか、脚を捻っただけで。その年ならそのままポックリ逝ってもおかしくないですよ」

京極「他人ごとと思ってええかげんなことを……。まあ見舞いに来てくれたことを感謝して、この件は不問にしますわ」

栗田「ところで京極さん、入院生活で何か困っていることはないんですか?できることなら協力しますよ」

京極「そうやなあ……。ああ、病院の食事が口に合わないのをのぞけば、とにかく暇なのが問題やなあ。何もすることがないんや」

山岡「ああ、そう思っていいものを持ってきましたよ。暇な入院生活にぴったりの品です」

京極「ほう……。これは……」

山岡「DS本体とマジコンです。ROMもたっぷり入れておきましたから、いくらでもタダゲを楽しめますよ。今や老若男女問わず人気の品です。TVにも出演したぐらいですから」

栗田「山岡さん、それってこの前言っていたあれですか?」

山岡「うん、そうなんだ。信頼できる店に注文してた品で、昨日届いたばかりさ。当然そのあと自分でもチェックしたけどね」

京極「へ、たかだかマジコンに何か違いでもあるんでっか?どこで買っても同じやないやろか」

山岡「いや、それが全然違うんだ。このマジコンは正真正銘『本物』のマジコン。そこらで売ってる『偽物』のマジコンとはわけが違う」

栗田「ええ!アマチュア開発者や早熟の天才には欠かせない上に、タダゲーも楽しめるマジコンにも『偽物』が出回ってるの?」

山岡「そうなんだ。マジコンは中国の工場で作られてるんだけど、正規の製造元ではない工場が勝手にデッドコピーを作ってる。これが『偽物』さ。さらにそれを悪徳バイヤーが安価で『本物』として流通させている。まったくひどい世の中だよ」

栗田「人のものを勝手にコピーして売りさばくなんて、人間としてサイテーね!クズの中のクズだわ」

京極「最近は金をケチることと自分のことしか考えとらん、下劣な品性の奴らが多すぎるんや。もっとゲーム業界全体のことを考えんと、ゲーム自体が滅びてしまってもええんかいな」

栗田「でも、もし値段が安くて問題なく動くなら、やっぱり惹かれるものがあるわね。安さの魅力というのもあると思うわ」

山岡「いや、そう簡単な話じゃないんだ。偽物はDSiで動くように見せかけて実は動かなかったり、正規品のファームウェアを入れると壊れてしまうものもある。場合によってはDS本体を破壊してしまうこともありえるんだ。更に問題なのは、販売している店ですら偽物と気が付かずに売っているのが多いこと。世も末だね」

京極「でも、山岡さんがその手に持ってるのは本物でっしゃろ?」

山岡「もちろん本物さ。このマジコンは『確実に安全と言える1本のルート』で仕入れているからね。具体的には 製造工場 → 中国のバイヤー → 省略 → ショップという流れなので、安全性には自信があるよ」

栗田「まあ!『省略』の部分が不明すぎてさっぱりわからないけど、とにかく安心したわ。これなら安全ね!」

山岡「それでは京極さん。この本物のマジコンとDS……言ってみれば『究極のマジコン』を置いていきますので、入院生活の暇を……」


コンコン ガチャ!


海原「話は聞かせてもらったぞ。士郎」

山岡「海原雄山!!どうしてここに!」

海原「いやいや災難でしたな、京極さん。しかし、大した怪我でなかったようでなによりです」

京極「海原先生!わざわざご足労をおかけして恐縮です」

海原「いやなに、京極さんが怪我をしたとあれば見舞いをするのは当然のこと。少々道が混んでいて遅れたせいで、目の前の目障りな俗物に会う羽目になった以外は、なんてことはありません。私は常々『馬鹿どもに車を与えるな』と言っているのですが、今日はそれをあらためて実感しました」

山岡「なんだと!」

海原「ところで京極さん、聞いたところ入院生活で暇をもてあましているとのこと。お見舞いを兼ねて、『至高のマジコン』をここに持参しました」

栗田「し、『至高のマジコン』?!」

京極「え?いや、しかし、マジコンなら先ほど山岡さんが私に『究極のマジコン』を……」

山岡「そうだ!海原雄山!!京極さんはすでに『究極のマジコン』を持っている。お前のマジコンなんかに出る幕はない!さっさと持って帰れ!!」

海原「『究極のマジコン』……?ふっ、それほどのマジコンを士郎が用意できますかな。ただの大口……いや、放言にしか思えませんな」

山岡「なにっ!?もう一度言ってみろ!!」

京極「いやいや!私のことでケンカはやめてください」

栗田「や、山岡さん。そろそろ失礼しましょう」

海原「何度でも言ってやろう、士郎。ろくにマジコンのことを知りもしない男が、好き勝手に大口を叩いて大恥をかいているだけだと言ったのだ。このまま京極さんがゴミのようなマジコンで満足されるのは、あまりにもしのびない」

山岡「ふざけるなっ!!マジコンのことは十分に勉強した。どんなマジコンが本物か、十分に知っている!安心できる仕入れルートと、信頼できる販売店。これ以上何がいると言うんだ!!」

海原「ほほう、安心できる仕入れルートと、信頼できる販売店だと?大事なことがまったくわかっていないようだな」

京極「ちょ、ちょっと待ってください。それでは、お二人のマジコンをここに出してください。どちらのマジコンが優れているか、私がここで判定させてもらいます!」

山岡「ふん、いいでしょう。そこの老害が何と言おうとも、このマジコンに死角はありません。ほえ面をかくのはその男です」

海原「……」


栗田「それではまず山岡さんのマジコンから……」

京極「うん!これは楽しい。SDカードから読み込まれるタダゲーの数々!この醍醐味は購入厨には味わえませんわ。自然と『購入厨ざまあwww』という感覚が満ちあふれてきますな」

山岡「当たり前です。『本物』のマジコンですからね」

栗田「なんの問題もないマジコンね。普通に使えているわ。これ以上のマジコンを海原雄山はどうやって用意したというの……」

海原「私が持参したマジコンはこれです。どうぞ使ってみてください」

山岡「ふん、普通のマジコンじゃないか。何が違うというんだ」

栗田「違いがわからないわ。これは引き分けかしら」

京極「うん……ほう……これは……!!」

山岡「?!」

京極「………… ……… …… …」

京極「なんちゅうもんをプレイさせてくれたんや……なんちゅうもんを……。こんな動作がスムーズなマジコンはプレイしたことがない。おもろい、ほんまおもろい……。これに比べると山岡さんのマジコンはカスや」

山岡「ええっ!どういうことだ!」

栗田「凄いわこれ!マジコンがシャッキリポンと、手のひらの上で踊るわ!」

京極「むほ!むは!ふひょ!」

海原「京極さん、そのマジコンに差し込まれているSDカードは東芝製ですよ」

山岡「そうかっ!そういうことだったのか!!」

京極「このマジコンとSDカードの抜群の相性、手の上でとろけるような一体感!何をとっても一級品、抜群のバランスや!!」

栗田「その点、山岡さんのマジコンはDS、マジコン、SDカードそれぞれの主張が強すぎて、エゴが丸出しだわ。それぞれがバラバラで、プレイ感にまとまりがない。これでは勝負にならないわ……」

海原「安心できる仕入れルートと、信頼できる販売店の他に何が必要だとお前は言ったな。マジコンは単体で利用するのではなく、ROMを入れるSDカードとセットで使うものだ。このSDカードにマジコンと最も相性の良い東芝製を選ばず、何を選ぶというのだ。安いSDカードは転送速度も遅く、フリーズの危険性すらある。そんなことも忘れ、マジコンのみを『本物』にしたところで何の意味があるというのだ。そんなものは、むしろバランスを欠くだけだ!」

山岡「くっ!」

海原「お前はマジコンが『本物』という安心感にあぐらをかき、大事なことを忘れた。そんなものは慢心以外のなにものでもない。ゲームは感性を阻害しない感動を呼び起こしてこそ、始めて芸術たり得るのだ。今のお前ではせいぜい『購入厨に対する優越感』を呼び起こすことしかできず、低俗な中二病の優越感をプレイヤーに与えるのが限界だ。そんなお前が『究極のマジコン』を用意するだと?笑わせるなっ!!!」

山岡「…………」

帰り道にて

山岡「悔しいけど、完敗だ。このままでは海原雄山には勝てない。あいつは購入厨が『金払えよ』と言い出しても『この私を誰だと思っているんだ!こんなゲームで金を取るつもりか!!馬鹿にするにも程がある!!帰るぞ中川!!』で済ます男だ。この傲慢さに勝つためにも、『みんなやってるからいいだろ』『マジコンがないとタダゲーができなくて、子供が友達の輪には入れなくてかわいそう』『購入厨の嫉妬見苦しすぎwワロタww』『ダウンロードはまだ違法じゃないしwww』『早熟の天才アマチュアゲーム開発者ですが何か?』などのテクニックが、究極のマジコンに取り入れられないか考えていく必要がある思うんだ。自分の慢心を見直すためにも……」

栗田「山岡さん……」

山岡「さあ、帰って昼飯にしようか。星岡さんの店で激辛ポテチとカフェイン錠剤をリゲインで流し込もう!」

栗田「はい!当然『割り箸』を使ってですね!!」

タグ:ネタ ゲーム
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