2012年12月11日

ネットの犯罪予告ではあっさり逮捕され、現実の脅迫犯が捕まらない理由

先日以下のようなツイートをしたら興味深い体験談がReplyで寄せられたので、記事にしてまとめたものを紹介。

POSTした内容は前者が当然なりすましウイルスによる冤罪事件のことで、後者は最近特にネットで話題になっているバスケマンガの脅迫犯のこと。単に脅迫状を送りつけるだけじゃなく硫化水素を利用したりと相当凶悪性が高く、コミケではジャンルそのものが規制される事態になっている。

今月12日に上智大(東京都千代田区)で発見された液体が、気化すれば致死量を大幅に上回る硫化水素を発生した可能性が高いことが30日、捜査関係者への取材で分かった。

黒子のバスケ作者脅迫 致死量の硫化水素発生の可能性 - MSN産経ニュース

これに関しては「現実世界(ネット外)の方が直接的に脅迫がおこなわれているのだからより悪質性が高く、影響が多方面にわたるのだから捕まえる優先順位が高いだろう。それに(特に今回の件では)物証も多数あるわけだし、捜査もより楽なのでは」という意味合いがあって投稿した。ところがどうやらそうではないらしい、という話を聞くことができた。

こちら側で簡単にまとめさせてもらうと、以下のような感じだろうか。

  • (少なくとも秋葉原の事件の前は)ただの脅迫状程度では警察はまともに動いてくれない。
  • 本格的に動くとしたら、何度も繰り返していて悪質性が高く、かつ公共施設が明確に狙われているような場合。
  • 地域がばらけると担当の警察(所)が変わるため、情報が共有されない縦割りのせいで重い腰がさらに重くなる。(前述のように単発的な脅迫状程度では動いてくれないので。)

「脅迫状の送りつけ」というのは、どうも話を聞く限り捜査の優先順位がお世辞にも高くない様子。まあ実際のところ1億2千万人も人口がいれば、毎日全国で山のように脅迫まがいの事件なんか起こっているだろうし、警察は脅迫状なんか見慣れすぎていて中々真剣に取り合わないのかもしれない。これは裏を返せばインターネットの利用頻度が高い人が、ネットの犯罪予告を(面白がって通報はするけど)、オオカミ少年のごとくほとんど真に受けないのと同じような図式と言えそうだ。

(注:今回のバスケマンガ脅迫の件に関しては、報道されているようにすでに捜査一課が動いているらしいので、放置案件ではない。)

ではどうして「ネットの犯罪予告の方はあっさり逮捕されたのか(事件として扱ってもらえるのか)」となるが、それはまず秋葉原のあの事件があったことが挙げられる。しかしそれとは別に、下の記事がヒントになりそうだ。

「IPアドレスが判明すれば、捜査は半分終わったようなものだと思っていた。想定外の事態ですよ」。ウイルス感染したパソコンが遠隔操作され、インターネットで相次いで犯行予告や脅迫が行われていたことが明らかになると、ある警察幹部はこう漏らした。

なりすまし事件、想定外が油断に 警察、被害者に自白強要か (1/2) - ITmedia ニュース

本気かどうかもわからず、人員が足を使って捜査し、地道にいくつもの物証を検証して、場合によっては他の地域の警察と連携しなくてはいけない「現実の脅迫事件」と、“IPアドレスが判明すれば、捜査は半分終わる”という「ネットの脅迫事件」、どっちを手がけた方が効率的か常識的に考えろ!……ということなのかもしれない。

普通に考えれば、「実際の脅迫状やテロ予告をそこら中に送りつける」の方が「ネットで吹き上がった犯罪予告をする」より犯人のリスクも(社会的な)優先順位もずっと高いように思える。しかし実際は「そうと言い切れない」レベルどころか、むしろ完全に逆じゃないのかという体験談を聞くことができた。個人的には「釈然とするかは別として(理屈は)納得はできる」という何とも言えない感覚を抱いてしまった。

おまけ

「服を買いに行く服がない」ならぬ「警察に被害届を出すための警察がない」状態。

posted by RPM at 10:00 | TrackBack(0) | BackLink | 社会 | 更新情報をチェックする

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