2012年04月13日

“残念”と呼ばれた日本のWebで「はてなまとめ」が失敗し「NAVERまとめ」が伸び続ける理由

最近、NAVERまとめの勢いが止まらない。自分の観測範囲でも自然に見る機会が増えたし、観測範囲の話にしなくなったってはてブのホッテントリにはNAVERまとめが入りまくりだ。例えばこれを書いてる時点での最新はてブの週間ランキング(2012/3/19から3/25)のうち、上位5位の3つがNAVERまとめになっている。

その前の週(3/12から3/18)に至っては4/5個がNAVERまとめの記事で、少なくともはてブ周辺では大フィーバーということになる。

これは自社サービスのはてなまとめが暗たんたる有様になってるのとは対照的だ。後追いで作ったわりに話題になったのは最初だけで、今ではトップの「新着記事」に半月前のまとめが並んでる。はてなニュース(はてなブックマークニュースではない)やはてなボトルの忘れられっぷりや、満を持したはてなブログの未完成状態、あるいは先日のはてブボタントラッキング騒動と、最近のはてなは特によくない話題ばかりが目立つ。タイムマシン商法で(日本での)技術力を前面に打ち出してそれなりに好評を集めていた時代が、まるで遠い過去のように思えてくる感じだ。

話をNAVERまとめに戻すと、これは「キュレーションサービス」という流行の言葉に乗っかった宣伝をしているが、平たく言い直せば「あらゆるWebページから文章や画像を"拝借して"まとめページを作れる」というもの。「まとめサイト」といえば多くの場合に「2chスレからのコピペ情報で形成されるサイト・ブログ」を指すが、NAVERまとめはそのコピペ元が2chにとどまらずネット中のページを対象にしているのが大きく違う。

このサービス、恐らく建前的には「まとめられた文章・画像は"引用"だ」ということになっているんだと思う。ところがNAVERまとめのトップページに並ぶ注目まとめをいくつか見てみればわかるように、実際は引用要件がどうこう以前の問題になっている。なんせまとめた本人が書いたと思われる文章が極めて少ないか、まったく存在しない記事の方がずっと多い。ものによっては「著作権?肖像権!?それ美味しいの?」というレベルで、日本のWebサービスとしては初期のニコ動を思い出させるようなフリーダムっぷりだ。

金が儲かるNAVERまとめ - 具体的にどれぐらいの収入になるのか

NAVERまとめの大きな特徴のひとつとして、「まとめを作れば金が儲かる」というのを前面に打ち出している点がある。例えばトップページの右下をみれば、下のようなバナーが勝手に目に入る。

NAVERまとめのバナー

もちろん今までもユーザ側に金銭的なリターンがあるサービスはいくらでもあった。アフィリエイト、投げ銭、寄付、ブログの広告表示などなど。ただほとんどは間接的にいくらかのお金が手に入るという道を示していただけで、ここまで直接的に「PV=金」と言い切ってる日本のサービスは知っている限りではかなり珍しい。アカウントのダッシュボードページにはデカデカと「○○円」と表示されていて、一見するとアフィリエイトサービスの管理画面か何かと勘違いしそうだ。

実際の金額については色々あるようだが、下のページを参考にする限りある程度成功すれば「月あたり数万円」ぐらいはいけるようだ。

サイト運営経験者の皮膚感覚として、この金額は中々のものだ。新規にブログを立ち上げ、人を集める記事を書き、AmazonなりGoogleなりの広告を貼ってこの金額を目指すのは容易なことではない。恐らくかなりの時間と労力が必要になるはずだ。しかも普通の人は空いた時間にブログをちょこちょこ書く程度なのだから、現実的にはいつまでもたどり着けないかもしれない。

だがNAVERまとめは事情が異なる。なにせ普通のブログと違いPVがそのまま金になる。しかも一番難しい「コンテンツの生成」という部分は大きく省略できるので、編集に徹すればいい。「キュレーション時代万歳!」と言ったところだろうか。

「画像を転載するだけで儲かる」という手軽さ

以前たまたま見つけたNAVERまとめの記事が60万PVを超えていた。調べてみるとこれはまとめ記事の中でもかなりアクセス数が多い方に入るようで、NAVER内でも「定番まとめ」というものに入るようだ。

ちなみにあくまでこれを書いてる時点で60万PVというだけで、時間が経てばさらにアクセス数は増えていくだろう。

さてこのまとめ、中身はマンガのページのスキャン画像を並べたネタまとめで、ネットの記事としては別に珍しくないタイプ。注目点はそこではなく、この記事に表示されてる画像自体が丸々2chまとめブログから転載したものということ。しかも「色んな場所から集めて回った」というレベルではなく、記事の最後にリンクがある1カ所のまとめブログからほぼそのままコピーしてるだけだ。恐らく作業時間としては10分もかかってないのではないかと思われる。「転載・コピペ」で有名だった2chまとめブログだったが、ここではネタを転載されて食われる方になっているわけだ。

上でもリンクしたNAVERまとめインセンティブについて分解してみたという記事では大ざっぱにPVがどれぐらいの金額になるか計算している。文中の“どのくらい稼げるか試算してみる”でPVからポイントへの変換を3割と仮定しているので、同一の条件だとすると以下のようになる。

600,000PV×0.3×0.2円=36,000円

あくまで仮定に基づいた計算だが、分単位のコピペ作業で3万円以上儲かるならこれはかなり大きいと考えてもいいだろう。さらに今は新制度で「ルーキー」や「レギュラー」という枠が用意されていて、これになるとインセンティブへの変換率が「0.2円」からそれぞれ「0.4円」と「0.7円」になるそうだ。それぞれ計算すると以下のようになる。

  • ルーキー
    • 600,000PV×0.3×0.4円=72,000円
  • レギュラー
    • 600,000PV×0.3×0.7円=126,000円

NAVERは100万円も夢じゃないとアピールしているらしいが、なるほど確かにそう見える。

もう「場所は用意するから自由にやって!」は通用しない

すでにWebには利用者が何かを発信する場は有り余っている。前述のはてなのサービスが廃墟同然だったり、ユーザ数が伸び悩んだブログサービスが近年終了に追い込まれていたりと、単に「Webサービスは用意しました!じゃんじゃんコンテンツを発信してください!!」だけでは人を集めるのは非常に難しい。ましてや最近はTwitterのようなブログよりさらにお手軽なサービスが主流になってきていて、ますます「手間をかけて何かしてもらう」のは厳しいだろう。

大概、人は何かメリットがあるからこそサービスを使い続ける。特にネットは直接的な物の行き来が面倒だったり、画面を通して間接的なやりとりしかできなかったり、不特定多数に公開するという前提が大きかったので、実用的なもの以外の多くは「承認欲求」や「自己顕示欲」などが満たせるかというのが重要なウェイトを占めていた。SNSの普及によって事情が微妙に変わりつつあるようにも見えるが、それでもかつてmixiが「読み逃げ騒動」や「マイミク数自慢」なんかで大いに盛り上がったのは有名だ。あるいは最近でもTwitterやFacebookの「フォロワー数誇示」など日常茶飯事で、この手の欲求の話には例に事欠かない。

それではNAVERまとめはどうかといえば、そのポイントを「まとめれば金が儲かる」という非常に直接的な方法でクリアした。なんせ始めるハードルはゼロで、さらに“100万円も夢じゃない”わけだからこれは魅力的だ。自意識や自己顕示欲を何ら発揮できないはてなニュースやボトルが閑散とし、金が儲からないはてなまとめと大差がつくのも当然だろう。

需要に最適化したCGM≒ユーザー参加型ロケットニュース

NAVERまとめのトップにある注目まとめをタイトルだけでも眺めてもらえばわかると思うが、アクセスを集める記事の傾向はおおむね決まっている。芸能関係を筆頭にして「超簡単に○○が改善する」系のライフハック記事、○○で簡単に激やせしたりモテる!、○○するだけの簡単レシピ、ネタ画像集、○○な揉め事や炎上がネットで起こってるぞ!祭りだ!!、などなど欲望にストレートに答えるものがかなり多い。これはいわゆるライフハック系のサイトやロケットニュースあたりの記事傾向に非常に近い。

またこの手のネット系ニュースメディアは「ネットで話題になったものを特に取材することなく、そのまま記事にして垂れ流す」ということを仕事(=飯の種)にしているが、この点もNAVERまとめはほぼ同じといってもいい。要するにNAVERまとめはユーザー参加型ロケットニュース的なものと見てもそう間違いでもないだろう。少なくとも個人的には同類のものに見える。

ただこれは「狙ってやった」というわけではないと思っている。単に楽で人目(PV)を集められる記事をいくつも作らなきゃいけないとなると、恐らく自然とこうなってしまうのだろう。結局のところ「PVそのものが価値を持つ」というルールに乗っかると、取れる戦術にそう自由度はないのだと見ている。

時事ネタを読むツールとしての「NAVERまとめ」と「まとめブログ」

NAVERまとめには名前に反して“まとめ”ではなく、非常に速報的な記事が注目まとめにあがってくることも多い。これは「新聞社のニュース記事の一部抜粋」と「数個のTwitterの反応」という構成が定番になっていて、中身が薄っぺらな代わりに読む時間が極めて少なくてすむ。ちなみにこれ、まとめブログが日々やっている「新聞社のニュース記事のコピペ + 2chのレス」というフォーマットとほぼ同じだ。2chのレスがTwitterの投稿に置き換わってるだけとも言える。

もちろん違いもある。それは根本的なボリュームで、まとめブログの多くが「ニュースのほぼ全文の転載 + 数十個以上のレス」という構成を取っていたことを考えれば、全体量は数分の一。閲覧者の心情は可視化されることが少ないのでわからないが、もしこれで時事が“わかった気”になれるなら、見かけ上の時間的なパフォーマンスは相当高いはずだ。当然「実際にある程度理解する」のと「わかった気になる」のは全然違うが、次から次へとこの手のまとめが出てくるのを見ると需要があるのは確かなのだろう。

10秒チャージ!情報inゼリー

2chまとめブログは「面白い2chの書き込みをブログを通して閲覧者に提供する」と同時に、「情報を選別して味付けする」という機能を果たしていた。料理なら「生ものを調理して食卓に並べる」というあたりだろうか。ただ今更いうまでもないが、そもそもの素材の問題(2chのスレ)と客(読者)の好みによって、完成する記事はファストフードかジャンクフードのような代物だった。声がでかくて頭の悪い書き込みばかりピックアップしたり、反対意見の書き込みをことごとく削ることによって印象操作したりと、大量に摂取すれば胸焼けするし続ければ健康に悪そうな記事が盛りだくさんだ。

だがそのまとめブログからさらにネタをつまんでコピペし、中身を薄くして極限まで食べやすく(読みやすく)形成したNAVERまとめの記事は、もはやファストフードどころではなくそれをミキサーにかけた情報の流動食やウイダーinゼリーみたいなものだろう。情報洪水の中で、もはや情報を咀嚼して理解するという時間すら惜しいというのは理解できる。そういったニーズに応えているのも、NAVERまとめが伸びている理由の一つではありそうだ。ただ、はたしてそれを「キュレーション」と呼ぶのが正しいのかはよくわからないが。

まとめブログはなぜ“好き勝手”に情報を編集できたのか

コピペされた情報が主なメインコンテンツというと、やはり2chまとめブログと対比したくなる。

まとめブログが転載をある程度黙認されてきたのは、「所有権が曖昧で文句が出る可能性が低い2chの書き込みが転載元」という特徴があったからだろう。書き込みの時点で匿名だから自らやめろと言い出す人間はあまりいないし、そもそも証明する手段も乏しい。これならいくらひどい編集をしようとトラブルになる危険性は低い。また、2ch側が基本的にずっと黙認・放置しているというのも非常に大きい。(ただ、アフィリエイトの有無などによって一部対応が異なる。)

それに某ひろゆきの「嘘を嘘と見抜けないと〜」という言説がテンプレ化して、広範囲で通じるようになったのも見逃せない。結果としてこれで「2chの書き込みは嘘とデマばかりなので、それをまとめた情報が信用できないのは当たり前。真偽がどうであれ(まとめ側は)知ったこっちゃないし、真に受けて騙される方が馬鹿なだけ。悪いのは2ch」というエクスキューズが通用するようになり、まとめブログは上手い具合にこれを責任回避に利用していた。

以上の二つの特性により、まとめブログは「無許可の転載・コピペ」と「編集姿勢」に免罪符を得ることができた。正確にはそれに対する突っ込みが一定数ずっとあったが、痛くもかゆくもなかったわけだ。本来ならかなりリスキーなはずの「テキトーな情報を許可を得ずコピペ・編集して延々と垂れ流す」という手法をとり続けることができたのは、結局のところ「2chがソースだから」と考えていた。(とはいえ実際は2chまとめブログでも他サイトやTwitterのネタを普通に持ってきたり、あるいは「1度2chに書き込んで、それをコピペすればソースロンダリング終了」的なことが珍しくなくなったが。)

その点NAVERまとめはどうかと考えると、その条件の両方を満たしていないがなぜか黙認されている、という不思議な状態になっている。まとめブログのような「転載場所の呪縛」すらほぼ存在せず、それどころかまとめブログですらコピペ元に利用してる。「情報の食物連鎖」みたいなものがあるなら、今のところかなり頂点に近いところにいるはずだ。しかもGoogleアドセンスが著作権違反によって利用停止になったあとも別の広告主を見つけて順調に事業化まで果たしている。

年内に5億円規模、3年後に30億円規模の売上高を目指す。(中略)昨年末時点で月間ページビューは1億9400万、月間訪問者数は1300万人に上っている。

「NAVERまとめ」を本格的に事業化 優れたまとめ作者に奨励金も - ITmedia ニュース

Twitterなどの「お手軽で短文」なサービスが流行していることもあって、最近は特に細切れでバラバラになった情報がそのまま流れていることが多い。ブログ時代における2chまとめブログの隆盛も含めて“まとめブーム”が続いていることは間違いないだろう。NAVERがあの無法地帯に近い状態を放置しているのも、とにかくこの機に乗じてまとめ市場でトップになり、細かいことは商売の足場を固めてから考えたいという算段があるからなのかもしれない。

そしてすべてがNAVERにまとめられる時代に

「NAVERまとめは今後どうなるのか」といえば、多分これからもどんどんPVが増えて巨大なサイトになっていくのではと予想している。ブログ時代にネットを席巻したのが、かつて希望予測的に語られていた「個人が自分で取材をして、自ら記事を配信するニュースメディアブログ」などではなく、釣りタイトルと煽った内容でPVを稼ぐ「新聞社の記事と匿名の吹き上がった書き込みを周回遅れでコピペしてまとめるブログ」だったように。

何にせよとにかく金が儲かる以上はまとめの供給が途切れることはないだろうし、そこに並ぶ記事も閲覧者の欲望がストレートに反映された情報だ。人の欲望は尽きることがないから、劇的に何かが変わらない以上はこのサイクルが途切れることはないだろう。これからもNAVERまとめはあらゆる情報と欲望をどん欲に飲み込み、撹拌し、閲覧者に提供していくはずだ。

(念のため書いておくが、欲望そのものに良いも悪いもない。程度の差はあるにせよ、どんなサービスでも何かしらの欲望が満たされないものは見向きもされない。最初に話題にしたはてなのサービスのように。ただ需要にせよ供給にせよ、CGMでここまでストレートに欲望全開なのは中々珍しいとは思う。)

かつて某取締役は日本のWebを“残念”と表現したが、そのような環境の中で進化と最適化の果てに誕生したのが恐らくNAVERまとめだ。これは一種の恐竜やモンスターのように見えるが、別の意味では「日本のWebを写す鏡」にも思える。某取締役が「残念」と語って約3年、遅れてやってきたCGMの“本命”とも呼べる勢いのNAVERまとめがこれからどうなっていくのか、色んな意味で目が離せない。

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2009年11月13日

Twitterのログをローカルに保存して見やすい形で読めるサービスを探す

やりたいこと

  • Twitterのpostは3200件までしか保存されず、それ以上は消えていくのでログを保存したい。
  • 別に「ブログに転載してブロードキャストしたい」というわけではないので、ローカルに保存できれば十分。
  • 読み返すことを考え、なるべく見やすい形で保存できるのが望ましい。プレーンテキストでもいいけど、どちらかといえばHTML + CSSの方が読みやすいし楽なのでよい。

この条件達成が目的。ということで早速Twitterのログバックアップサービスを探してみた。

Twitter Backup

Twitter Backup スクリーンショット

最初に試したのがこれ。複数のアカウントを纏めて管理できたりする *らしい。日本のサービスではないものの、それは大した問題だとは思わなかったのでさっそく試してみた。が、なぜか登録時点で上手くいかなかった。

TwitterのOAuthで認証→登録(メールアドレスなど)という作業を行うのだが、OAuth認証までは成功するがその先で入力項目を埋めて進もうとしてもエラーが出てどうにもならない。(そもそも画面に表示されてない入力項目に対しての空欄エラーが出るので、どうしようもなかった。)何度か試しても解決するそぶりがまったくなかったので、Twitter側のOAuth認証を取り消して別のサービスを探すことにした。結局何が問題だったのかは不明。

このサービスに対する感想はないというか、そもそも試すことすらできなかったので評価以前の問題。

twtr2src

twtr2src スクリーンショット

次に試したのがこれ。まず良かったのはTwitter Backupと違って登録しなくてもお試し使用できる点。操作はユーザ名を入れて「タイムラインを表示」をクリックするだけ。これのおかげで、どのようなサービスでどんなフォーマットで出力されるかすぐにわかるのが嬉しい。

まずは未登録で試し、その後登録して使用してみたが、両方とも何の問題もなく利用することができた。登録自体は先ほどのTwitter Backupと同じように、OAuthで認証するタイプ。登録したあとに気が付いたが、このサービス自体はサーバ内にTwitterのログをバックアップするというものではなかったので、「外部の他のサービスとの連携を橋渡しするツール」と呼んだ方が正しいように思えた。

未登録の場合は最大200件(恐らく1回に取得できるAPI制限の限界)までのログを一括、あるいは日付ごとに「HTML」「プレーンテキスト」「はてな記法」で取得できる。登録作業した場合は、任意のメールアドレスを設定して毎日のログをメールで送信する機能が使用可能。はてなダイアリーなどのメールで投稿できるブログサービスを使えば、Twitterのログを毎日バックアップしつつ、ブログなどでブロードキャストできるということになる。ただ手動で投稿するなら、特に登録作業は必要ないように感じた。

メールでのバックアップや自動ブログ投稿は試していないが、「全体的に動作も軽いしフォーマットも選べるので、サービス全体としてはかなり優れているのでは」という感想を持った。ただ自分がやりたかったことは「今までのすべてのログをバックアップする」なので、200件までしか取得できないtwtr2srcでは目的には合致せず、そういう意味では使えなかった。「これからのログ」を自動なり手動なりでバックアップするのには向いているので、そういう人には「非常に使える」サービスだと思う。

twilog

twilog スクリーンショット

最後に試したのがこのtwilog。結論からいえばこのサービスで目的が達成できた。これも登録しないでお試し利用をすることができる。また完全に日本(語)のサービスなので、UIなどで戸惑うことがないのも大きなメリットのひとつ。

登録しなくても試せるので使ってもらった方が早いが、ユーザ名を入れると200件のpostを取得し、日付ごとに特定のフォーマットで出力できるのは上記のtwtr2srcと同じ。ただ出力フォーマットは(現時点では)HTMLに限られ、その中から「divに囲われたp(1postがpで囲われる)」「ul・li(リスト形式)」「pタグで囲ってbrで改行」を選ぶことができる。ただタグを取得できるのはあくまで日付ごとで、twtr2srcのように200件すべてを一気に出力することはできないようだ。(この機能は欲しかった……が、後述の機能があるので致命的な問題にはならなかった。)

TwitterのOAuthで認証すると機能をフルに使うことができ、新しいpostも自動的にサービス側でバックアップされるようになる。また、過去ログを遡って保存限界の3200件を上限にサルベージすることができる。(それ以上はTwitter側で消えてしまうので無理。)取得したTwitterのログはそのままHTMLではダウンロードできないが、CSV(Shift_JIS or UTF-8)かXML形式でダウンロードすることができる。しかしサービス内でそのまま過去ログを閲覧することができるため、ローカルに保存したい人以外は使う機会がないかもしれない。

とりあえずtwilogを使うことによって、目的だった「消えていくTwitterの過去ログを保存する」「ファイルをローカルに保存する」というところまでは達成できた。ただファイル形式がCSVかXMLなので、このままではとても「見やすい」とは言い難い。ということで、このファイルを変換して見やすくすることにした。

余談

twilogのログは(twilogを利用していることとTwitterのidさえわかれば)誰でも自由にアクセスできるので、登録して使うと「Twitterからは流れて消えたログ」だと思いこんでいた(都合の悪い)postがサルベージされる可能性は当然ある。ローカルに保存したいだけならば、ログが消える3200 postごとに登録→ダウンロード→アカウント削除という手順を踏んだ方がいいかもしれない。(もちろん「最初からTwitterでブロードキャストしている時点で、流れるもクソもない」とも言えるが。)

XSLTスタイルシートでXMLをHTML + CSSに変換する

最初からHTMLに変換されたログが丸ごとダウンロードできるなら問題なかったが、今回利用したtwilogはCSVかXMLしか選択肢がなかったので、XMLをダウンロードしてXSLTでHTMLに変換することにした。(変換といってもファイル自体が変換されるわけではなく、ブラウザにXMLを読み込ませて表示された結果がHTMLになるだけ。)XSLTは前に少しだけいじった経験があるので変換自体はすぐに思いついたが、肝心の記述の仕方などはすっかり忘れていた。ということで、次のページをチェックしながらXSLTスタイルシートを記述した。

で、完成したのが下のXSLTファイル。これに任意の名前を付け、拡張子を「xsl」にしてUTF-8で保存すれば完成。これだけでも「postごとにliで区切ったulリスト形式」で「Twitterの個別postへのパーマリンク付き」のHTMLに変換できた。(ただしTwitter側の古いpost消えていくので、将来にわたってずっとパーマリンクへアクセスできるわけではない。)下から8行目の[user_id]に自分のTwitterアカウント名を入れれば、恐らく誰でも使えるはず。

<?xml version="1.0" encoding="utf-8" ?>
<xsl:stylesheet version="1.0" xmlns:xsl="http://www.w3.org/1999/XSL/Transform" >
  <xsl:output method="html" encoding="utf-8" doctype-public="-//W3C//DTD XHTML 1.0 Strict//EN" doctype-system="http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-strict.dtd" />
  <xsl:template match="/">
    <xsl:apply-templates/>
  </xsl:template>
  <xsl:template match="tweets">
    <html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja"><head><title>Twitter Log</title><link rel="stylesheet" href="style.css" type="text/css" /></head><body><ul><xsl:apply-templates/></ul></body></html>
  </xsl:template>
  <xsl:template match="tweet" >
   <li>
     <p><xsl:value-of select="text"/></p>
     <span>posted time 
      <a>
       <xsl:attribute name="href">
        http://twitter.com/[user_id]/status/<xsl:value-of select="id"/>
       </xsl:attribute>
       20<xsl:value-of select="time"/>
      </a>
     </span>
     </li>
  </xsl:template>
</xsl:stylesheet>

ただこれだけでは動作しないので、twilogからダウンロードしたXMLファイルの2行目に

<?xml-stylesheet href="ファイル名.xsl" type="text/xsl" ?>

と挿入して上書き保存する必要がある。あとはさっきのXSLTスタイルシートと同じフォルダに、このXMLファイルを置く。これでXMLファイルからXSLTスタイルシートを呼び出して、HTMLに変換できるようになる。

実際に変換して表示させたのが以下の画像。まだCSSは適用させていないので素っ気ないHTMLでしかないが、XMLファイルをそのまま表示させたのとは違うのがわかる。

XMLをXSLTスタイルシートでHTML化

次はCSSを適用させた場合のサンプル。さっきのコードはデフォルトで「style.css」というCSSファイルを呼び出すようになっているので、同じフォルダにスタイルを記述した「style.css」を置けばOK。

変換したXMLにスタイルシートを適用した

自分の場合はTwitterのタイムラインを真似てみたが、あくまで例にすぎないので(同じようなことがしたい人がいたら)CSSは好きなように記述すればいいと思う。

というところで当初の目的は無事達成。他に最初からHTMLでログをダウンロードできるサービスもあるかもしれないが、自分の場合はこれで十分なのでしばらくはこのXSLTテンプレートを使い回していこうと考えてる。

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2009年11月04日

アメブロにできた「首相官邸ブログ」の気になる3つの問題点

首相官邸公式のブログができて結構話題になっている。もちろん単体でもそれなりに話題にはなっただろうが、利用したサービスがアメブロというところがより話題のネタになっているのは間違いない。

どういう経緯でアメブロが選ばれたのかはわからないし、それが表に出てくることは恐らくないだろうけれども、まあ個人的にはそこにあまり興味がないのでどうでもいい。PV海王拳で有名なアメブロならば、これによるアクセス増加にも十分耐えられるだろうし。

それとコメント欄・トラックバック欄がないのはどうなのかと一部で言われているものの、

  • 絶対に来るであろうspam問題
  • コメント欄が荒れることは分かり切っている
  • かといって事前承認にした場合、「国家検閲!言論封殺!!」と噴き上がるのも間違いない

という点から「妥当なところだろうな」という印象がある。メールマガジンの転載じゃ意味ねえよ、というのもわからなくはないものの、メルマガはすでに時代遅れなイメージが否定できないし、単に配信チャンネルを増やすという点でもそれなりに意味はあるように思える。

政府公式サイトですよね?

ただ普通の「芸能人ブログ+アメブロ」なら別にいいんだけど、(メルマガの転載だけど)書き手が日本国の首相となると気になる点が多い。

ドメインがgo.jpじゃない不思議

最初「偽物か?」と疑われたのを見ればわかるように、そのままアドレス(ドメイン)が「ameblo.jp/kanteijp/」というのはどうなんだろうか。アメブロというかサイバーエージェント自体が単なる一企業だし、そもそもアメブロのアカウントは誰でも自由に取れる無料サービスという点で、信頼性が皆無に近い。首相官邸ホームページが「http://www.kantei.go.jp/」なんだから、アドレスは「http://blog.kantei.go.jp/」とか「http://www.kantei.go.jp/blog/」辺りが適切のはず。別に「kantei.go.jp」に紐付けられていなくてもいいけど、最低限「go.jp」ドメインに置くべきだろう。

アメリカで似たような位置づけのブログとなると

辺りになると思うんだけど、両方とも当然gov(日本だとgo.jpに当たる)ドメイン。「Powered by Ameba」なのは別にいいかもしれないけど、リダイレクトするなりなんなりできちんとgo.jp下のディレクトリに置くべきなのでは。

首相官邸ホームページからリンクがない

例えアドレスが「ameblo.jp」でも首相官邸ホームページから直接リンクが張ってあれば、信頼性は飛躍的に上がったはず。「kantei.go.jp」が本物であるのは間違いないし、そもそもそこから読者を誘導するにはリンクが必要。(メールマガジンへのリンクはある。)

さっき出したアメリカの例のwhitehouse.govやchange.govは、トップページのナビゲーションにブログへのリンクが置いてある。これなら関係性が一目瞭然。

これがあくまで「(今現在首相をやってるだけの)鳩山由紀夫個人のブログ」という位置づけならまだしも、「首相官邸」を名乗っている以上は関連性をはっきりさせないとまずいだろう。「首相官邸の公式っぽいブログがあるけど、本物かどうかわからない(確かめるすべがない)」じゃ話にならない。(ちなみにアメリカのTwitterの例だとオバマ大統領ホワイトハウスのアカウントは別になっている。大統領を辞めてもオバマがオバマであることは変わらないので、当然といえば当然。)

(酷く安っぽいので)広告は消した方がいい

アメブロのテンプレートにそのまま載せただけなのか、ヘッダーのナビゲーションはそのまま表示されていて「芸能人がどうの」というニュースが表示されてるし、フッターにも(アメブロの広告の)芸能人の顔がずらずら表示されていて、お世辞にも「首相官邸公式ブログ」には見えないありさまは何とかした方がいいと思う。少なくともこれを書いてる時点では、フッターに以下のものが表示されている。

ameblo.jp/kanteijp/フッター

もちろんアメブロとしては面白くないだろうし、首相官邸経由のアクセス増加も狙ってるんだろうけど、曲がりなりにも「首相官邸ブログ」なんだから「芸能人の顔広告を消してください」ぐらいの要求は通るだろう。それに「首相官邸公式ブログを呼べた」というだけでも売りになるわけだし。(そもそも「首相官邸ブログ」を見に来る層と、「アメブロの芸能人ブログ」を見に来る層がそんなに被ってるとも思えない。)

追記

Twitterのこのpostで気が付いたんだけど、RSSフィードには普通に広告が入っていた。(最初にエントリを書いたときはサイトの方だけチェックしていたので、気が付かなかった。)

首相官邸ブログの広告

構図としては「政府公報に広告を出してアメーバが金を稼いでいる」みたいになってるので、何かの火種になる可能性はあるかもしれない。(まあ最初から「広告を出す代わりに無料だよ」みたいな契約なのかもしれないが。)

Yahoo!の方がしっかりしてる

こっちの方はあまり話題になってないんだけど、(Yahoo!ブログではない)Yahoo!の公式ページにも首相官邸のミラーサイト(?)ができている。内容は同一の模様。

こっちもドメインはYahoo!だし、同じようにリンクも張られていないんだけど、アメブロのように「芸能人ネタに首相官邸が上下から挟み込まれている」みたいな状態にはなっていない。(広告もない。)作りも「政府機関らしさ」を目指したような感じになってるので、チェックするならこっちの方がいいのでは。

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